『新宿二丁目の悪夢』

 

その日彼は何とかXmasを共に過ごす女性を
見つけようと必死で声をかけまくっていた。
だが街はXmasIllumination一色に染まり、
四方を見渡してもカップルばかり目について
一人で街を歩く女性は一人も居なかった。
もし今年もクリぼっちになれば10年連続、
更に記録更新となってしまい其だけは是が非でも回避したかった彼は思わず星に願いを掛け何とか夜を共に過ごす人に巡り会いますようにと願った。すると程なくして目玉が飛び出る様な絶世の美女を見つけた。而もその美女の方から声をかけられたから堪らない。
いつもの彼ならこれはおかしいぞと気づいて
警戒する所だが何せ後少しでイブも終わってしまう事に焦りを覚えていた為に注意力が散漫になっていた。その後、ディナーを食べ、同じ場所の地下のバーに立ち寄りお酒を飲み
その上の階にある予約を入れていたホテルへ
さていよいよという段になって初めて彼は目の前に座っている絶世の美女が絶世の美男である事に気付いたが時既に遅し、見るとボディービルダーと見紛う程のムキムキマンで、
彼を羽交い締めにして彼の“初めての相手“となったと言う事である。その後十数年経った今もその時の“古傷“が冬になると傷むのだという。お尻にある菊の門の痛みが…。


f:id:Garyu-T:20191225013235j:image